皮膚科とは

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皮膚科で扱う病気にはたくさんの種類があり、500種を軽く超えるともいわれます。原因も非常に多岐にわたり、外的因子によるもの、内的因子によるもの、加齢からくるものなど、至って多種多様です。

皮膚科治療においても、もちろん原因を把握することは大切なのですが、まだ原因のつかめていない疾患も、しばしば存在します。そのため、決定的な治療法が無く、根気よくつき合っていく必要のある慢性疾患も少なくありません。当院では、軟膏などによる外用療法、内服療法などを個々のケースに応じて適切に行うことによって、より良い状態を保ち、様々な皮膚疾患と上手につき合うお手伝いをいたします。

このような症状の方はご受診ください

  • 皮膚に痛みやかゆみがある
  • 皮膚がただれている
  • 皮膚に斑点や吹き出物がある
  • 皮膚が赤くなってきた
  • 白いカサカサが皮膚に付着している
  • 皮膚が厚くなり、ときおり痛みがある
  • 皮膚を触ると熱くなっている
  • 手の指先が白くなり、こわばっている
  • 足の裏や指に黒いほくろのようなものがある など

主な疾患

  • 湿疹
  • 虫刺され
  • 白癬症(いわゆる水虫等)
  • 蜂窩織炎(ほうかしきえん)
  • 丹毒(たんどく)
  • 伝染性膿痂疹(とびひ)
  • 単純ヘルペス/帯状疱疹
  • 脂肪腫
  • 脱毛症 など

湿疹

湿疹は、かゆみが生じる皮膚炎であり、初期の段階では皮膚に赤みや腫れがみられたり、小さな水疱ができたりします。時間の経過とともに、この水ぶくれが消えていき、今度は乾燥した皮膚がボロボロとはがれ落ちるようになります。なお、湿疹はかゆみを伴うため、ついつい患部を掻いてしまいがちですが、皮膚のバリア機能が壊れてしまうと、病変が広がっていき、さらに症状を悪化させることになります。そのような状態にならないよう、お薬によってかゆみを抑えるようにしましょう。

虫刺され

虫刺されは、文字通り虫に刺されることをいいます。原因となる虫には、蚊、ダニ、ノミ、アブ、ハチ、ケムシなどの種類があり、症状の程度も様々です。蚊やダニなどの場合は、刺されたり接触したりした部位に赤みを伴う発疹やかゆみが出ますが、多くの場合、放置しても問題ありません。しかし、ケムシの場合は、接触した部位だけでなく、その周辺まで広く発疹ができることもあります。治療に関していうと、主にステロイド軟膏などのお薬を使用します。腫れやかゆみが強い場合は、抗アレルギー薬を選択します。

白癬症(水虫など)

白癬症は、カビの一種とされる白癬菌が原因となる皮膚の病気です。このうち、足の皮膚に菌が入り込むことで様々な皮膚症状が起きる病気のことを「水虫(足白癬)」と呼んでいます。なお、白癬菌は全身の様々部位に感染します。具体的には、頭部に発症する「シラクモ(頭部白癬)」、手に発症する「手白癬」、体部に発症する「ゼニタムシ(体部白癬)」、股に発症する「インキンタムシ(股部白癬)」、爪に発症する「爪白癬」などがあります。

なお、水虫には趾間型、小水疱型、角質増殖型という3つのタイプがあります。このうち趾間型は、足の指の間に発生し、紅斑や水疱、皮がボロボロ剥けるなどの皮膚症状がみられます。小水疱型は、小さな水疱が足指の付け根や土踏まず、足の外側の部分に多発します。多くの場合、強いかゆみの症状がみられます。最後の角質増殖型は、あまり多くはないのですが、足底の全ての部分で角質層が肥厚化してしまい、鱗屑などがみられます。治療に関していうと、主に抗真菌薬の外用薬を使用しますが、薬が浸透しにくいケースでは抗真菌薬を内服します。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

蜂窩織炎は、真皮から皮下脂肪組織にかけて起こる化膿性の疾患です。主な原因は黄色ブドウ球菌だと考えられており、毛穴や汗管、小さい傷などから細菌が侵入することで発症します。主な症状は、皮膚の腫れ、赤み、熱感、痛み、発熱、倦怠感などです。治療では、まず安静を心がけ、抗菌薬などを服用します。患者さんによって抗菌薬の点滴が必要となります。

丹毒(たんどく)

丹毒は、真皮を中心とした細菌感染症の一種です。主に溶血性レンサ球菌が原因となります。皮膚の傷や潰瘍、虫刺され、手術後は細菌が侵入しやすい状態となっているため、丹毒になってしまう事がよくあります。アトピー性皮膚炎、水虫、肥満症、糖尿病などが引き金となって感染することもあります。主な症状は、顔や脚などの腫れ、赤み、熱感、倦怠感などです。患者さんによっては高熱などの全身症状がみられることもあります。治療では、主に抗菌薬を使用します。

伝染性膿痂疹(とびひ)

伝染性膿痂疹は、皮膚への細菌感染によって発症し、人から人へとうつる疾患です。強いかゆみを伴う水疱ができるので、多くは我慢できずに搔き壊してしまいます。ちなみに水疱の膜は薄くて破れやすいので、あっという間にほかの部位にも広がり、気づいたら症状が全身に及んでいたという状態になります。この様子が火の粉が飛び散ってあちこちに火事が広がる飛び火に似ていることから一般的に「とびひ」と呼ばれるようになりました。

なお、伝染性膿痂疹の中には、世代に関係なく発生する痂疲性膿痂疹と、乳幼児に感染しやすい水疱性膿痂疹があります。いずれの場合も、抗菌薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、亜鉛華軟膏などで治療します。

単純ヘルペス/帯状疱疹

単純ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV‐1)や2型(HSV‐2)による感染症です。このうちHSV‐1は、主に接触感染によって感染します。一方のHSV‐2は、大半が性行為によって感染するといわれています。どちらも感染後、2~10日程度の潜伏期間を経てから発症します。HSV‐1の主な症状は、口内炎、口唇の発赤、水ぶくれ、かゆみ、ほてり、痛みなどです。HSV‐2は、性器の腫れ、ただれ(潰瘍)、水疱、発熱、リンパ節腫脹などです。治療においては、抗ヘルペス薬の内服が中心となります。

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因となります。水ぼうそうになった後、このウイルスが体内に潜伏してしまい、免疫力が低下したときなどに帯状疱疹が起こってしまうのです。典型的な症状は、チクチクした痛みや皮膚の違和感から始まり、しばらくするとその部分が赤い斑点になり、やがて帯状の水ぶくれができます。多くの場合、神経痛のような強い痛みを伴います。痛みは水ぶくれが治る頃に消えますが、その後も長期間にわたってピリピリした痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」に移行することもあります。
帯状疱疹には予防のワクチンがありますので、御希望の方はご相談ください。

帯状疱疹の予防ワクチンについて

脂肪腫

脂肪種は、皮下腫瘍の中では最も頻度が高いとされる良性の疾患です。皮膚の下で脂肪の一部が徐々に増殖していき、膨らんできます。腫瘍のサイズは数㎜~10㎝まで様々であり、通常は痛みを伴いません。どの年代にも生じますが、とくに中年女性に発症しやすいといわれています。脂肪種は良性なので、切除の必要はありません。

脱毛症

主に髪の毛などが抜け落ちてしまう状態です。数多くの種類がありますが、とくによく知られているのが円形脱毛症やAGAです。このうち円形脱毛症は、自己免疫反応によって毛包周囲に炎症が起こり、毛が抜け落ちてしまいます。なお、AGAについては、こちらをご覧ください。

AGAの詳細について